インド・アンベール城を後にして、ピンクシティへ
みなさま、こんにちは(^^♪
私たちユルバ夫婦(73歳)は、A旅行社のツアー「復路ビジネスクラス利用・8つの世界遺産をめぐるインド5日間」に参加しました。
アンベール城でのジープと体調不良を乗り越え、バスはジャイプールの旧市街へ向かいました。
途中、バスの窓から湖の向こうに白い宮殿が見えました。

▲車窓から見えるジャル・マハル(水上宮殿)
湖の中に静かに浮かぶその建物はジャル・マハル(水上宮殿)。18世紀に建てられたラージプートの離宮で、現在は内部非公開ですが、この水面越しの眺めが最高の見どころとされています。バスが通り過ぎる一瞬のことでしたが、思わずカメラを向けました。インドはこんな景色さえも、道の途中にさりげなく置いています。
ピンクシティとはなにか
ジャイプールの旧市街は「ピンクシティ」と呼ばれています。

▲ジャイプール旧市街の街並み
街を走ると、たしかに建物がピンク色——というより淡いテラコッタ色に統一されています。1876年、イギリスのウェールズ皇太子(後のエドワード7世)の来訪を歓迎するために、当時の王マハラジャ・ラム・スィング2世が市内の建物を一斉にこの色に塗らせたのが始まりです。
「国賓のために街ごと塗り替える」という発想は、ムガルやラージプートの王たちが見せてきた「スケールの違う権力」の表れのようで、なんとも壮大な気持ちになります。現在も旧市街では建物の外壁をこの色に統一することが義務づけられており、街全体がひとつの「生きた世界遺産」のように機能しています。

▲シティパレス前でVサイン
シティパレス 王家の宮殿へ
バスが路上に止まり、私たちは少し歩くとピンクの美しい建造物にぶち当たりました。
シティパレスは、18世紀初頭にジャイプールを建設したサワーイー・ジャイ・スィング2世が造営した宮殿複合体です。現在もジャイプール王家の子孫が一部に居住しており、「現役の王宮」という点でも珍しい場所です。ムガルとラージプート、さらにヨーロッパの建築様式が融合した豪華な門、宮殿、中庭、博物館が広がり、見学には1〜2時間かかります。
バスが大きな駐車場に入りました。ここがジャンタルマルタルの入口近くです。
ガイドさんと他のツアー客2名は、お若いので元気で出発されました。
私たちは——バスに残りました。
バスの中で、目を瞑っていた
体調を最優先にした判断でした。後悔はありません。でも、バスの中での時間は、思いがけずいろいろなことを考えさせてくれました。
運転手さんは規定の休憩時間があり、近くの茶店へ。バスの周りに人が集まってきたのは、その直後でした。
物売りの方々です。
目が合うと、必ず近寄ってきます。断ってもダメ。同情した顔をするのもダメ。バスの窓は開かないようになっているのに、ドアが開くのを待っているようでした。私は複雑な気持ちで、目を瞑ってしまいました。
インドの路上で見たもの
これは、アンベール城に向かう道でも、デリーの交差点でも、旅のあちこちで感じたことです。

▲路上の牛と街の日常
信号で車が止まると、女性たちが駆け寄ってきて、窓越しにお金をもらっています。彼女たちの小さな子供たちは、その周りの路上で遊んでいます。トイレの近くには、チップを求めながらペーパーを配る若い男の子や女の子がいました。
ガイドさんが教えてくれました。「インドには1000万人の富裕層と、数億人の貧困層がいます」と。
聖なる動物として崇められる牛が、ゴミの山をあさりながら路上を歩いています。華やかなピンク色の街並みの足元に、その現実がある。
日本も終戦直後はこういう状態があったのだと思います。世界中の国々が豊かになり、富の分配が公平に行われ、基本的人権がひとりも取り残されないように——ベーシックインカムのような制度が広がることを、バスの中でただ願っていました。

▲サムラート・ヤントラimage・ODANさんの提供
世界遺産5・ジャンタルマンタル 18世紀の天文台
シティパレスのすぐ隣に、もうひとつの世界遺産があります。ジャンタルマンタルです。
1728年、サワーイー・ジャイ・スィング2世が建設した天文観測所で、2010年にユネスコ世界遺産に登録されました。石造りの巨大な計測装置が19基、庭園の中に立ち並んでいます。
中でも最大の見どころはサムラート・ヤントラ。高さ27メートルの巨大な日時計で、その影の動きで現地時間を2秒単位まで正確に読み取ることができます。300年前の建造物が、現代の精密計器に匹敵する精度を持っている——それだけで、ジャイ・スィング2世という王の知性と情熱の大きさが伝わってきます。
王はジャイプール以外にも、デリー・アグラ・ヴァーラーナシー・マトゥラーの計5か所に同様の天文台を建設しました。肉眼観測時代の天文学の集大成として、科学史上も重要な遺産です。

▲サムラート・ヤントラimage・ODANさんの提供
私たちは見学できませんでした。アンベール城のジープと炎天下の疲れが積み重なっていたこと、ツアーの他のメンバーにこれ以上ご迷惑をかけられないと判断したからです。
出発前に夫は「夏のインドでは50%の見学ができれば上々だ、暑い時はバスの中で休もう、行って体験することに意味があるんだ」と言っていました。
正直に書きます。40℃を超える5月のインドで、73歳のふたりが世界遺産8か所すべてを完璧に見学することは、できませんでした。でもそれは、この旅が「失敗」だったということではありません。体調を整えて次に備えたからこそ、午後のファティープル・シークリーも翌日のタージマハル、アグラ城も、元気に歩くことができました。
旅には「見られなかった場所」があっていい。その体験も含めて、旅の記録、醍醐味だと思っています。

▲湖上の水上宮の前を走るバイク群
シニア旅行者へ 夏のインドを旅するために
5月のインドの気温について
私たちが訪れた5月中旬のジャイプールは、日中40℃前後。日差しは強烈で、日陰でも体力を消耗します。熱中症と体調不良のリスクは、想像以上に高いです。
ツアー参加中に体調を崩したら
「バスで休む」という選択肢は恥ずかしいことではありません。むしろ、賢明な判断です。ガイドさんに正直に伝えれば、今回のように臨機応変に対応してもらえます。無理をして全員に迷惑をかけるよりも、早めに休んで翌日に備える方が旅全体が豊かになります。
Google翻訳は本当に役立ちます
アンベール城での体験と同様、言葉が通じない場面でのGoogle翻訳は大きな助けになりました。ヒンディー語対応で、音声入力も使えます。インド旅行の必携アプリです。

▲旅のリアル体験は脳を興奮させます
まとめ 見なかった世界遺産のことも書く
ガイドさんたちが見学を終えて戻ってきました。昼食会場へ向けて、バスが走り出しました。
ジャンタルマンタルを、私たちの目では見ていません。でもこの記事を読んでくださっている方が、いつかジャイプールを訪れるときの参考になれば——それで十分です。
旅は、見たものだけで完成するわけではない。見られなかったものへの想い、バスの窓から見えた路上の現実、目を瞑りながら考えたこと——それもすべて、旅の一部です。
次の目的地は、ファティープル・シークリー。体を休めた私・ユルバは、元気を取り戻して向かいます。

▲ピンクシティの街並みと空
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| シティパレス正式名称 | シティ・パレス・ジャイプール |
| 建造年 | 1729〜1732年(その後も増築) |
| 開館時間 | 9:30〜17:00 |
| 入場料 | 外国人:約700ルピー(2025年時点) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンタルマンタル世界遺産登録 | 2010年(文化遺産) |
| 建造年 | 1728年 |
| 開館時間 | 9:00〜16:30 |
| 入場料 | 外国人:約200ルピー(2025年時点) |
ありがとうございました。
See you(^^♪

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