朝、胸が高鳴っていた
みなさま、こんにちは(^^♪
私たちユルバ夫婦(73歳)は、A旅行社のツアー「復路ビジネスクラス利用・8つの世界遺産をめぐるインド5日間」に参加しました。
旅の4日目。インド最終日の朝を迎えました。
洗面をして、朝食をとって、荷物をバスに積み込みました。7時30分出発。ガイドさんを先頭に、ツアー客4人が続きました。
この日の目的地は——タージマハルです。
世界観光ランキングで1位に輝くこともある場所。「タージマハルの美しさを一度目にすると、人生観が変わる」という言葉をどこかで読んだことがありました。江戸時代初期にあたる17世紀、中国からエジプトにいたる近隣諸国の建築技術・大理石・宝石の粋を集め、22年の歳月をかけて完成した「世界一美しい霊廟」。それをこの目で見るのです。
興奮が抑えられませんでした。
厳しいセキュリティチェックを抜けて

▲入場口へ向かう私・ユルバの後ろ姿です
バスを降り、しばらく歩くと荷物検査がありました。軍服を着た係官が、厳しくチェックしています。事前にガイドさんから「貴重品など最小限のものだけ持つように」と指示されていたので、私たちは難なくパスできました。タージマハルの警備がいかに厳重かは、入ってみてよくわかりました。
大門(ダルワーザ・イ・ラウザ) そして初対面の瞬間

▲庭園から見た大門へのアプローチです
中に入ると、よく整備された芝生の庭園が広がっていました。その正面に、赤砂岩と白大理石でできた巨大な門——**ダルワーザ・イ・ラウザ(栄光の門)**が立ちはだかっています。

▲大門の正面です
高さ約30メートル。門全体に施された白大理石の象嵌細工とコーランの文字が、朝の光を受けて輝いています。この門自体も、独立した芸術作品といえる美しさです。

▲大門をくぐる人々
門の下をくぐる人々の流れに混じって、暗いトンネルの中を進みます。そして——

▲のアーチ越しに見えるタージマハル
暗闇の先に、白いドームが浮かびました。
思わず、手を合わせていました。
アーチという額縁の中に切り取られた白亜の霊廟。人混みの頭の向こうに、それはただそこにありました。言葉が出ませんでした。
タージマハルとはどんな場所か
タージマハルは、ムガル帝国5代皇帝シャー・ジャハーンが、愛妃ムムターズ・マハルのために建てた霊廟です。
ムムターズは14人の子を産み、1631年、36歳で産褥のため亡くなりました。戦地にいた皇帝は、愛妃の死の知らせを受けて深く嘆き悲しみ、「地上で最も美しい霊廟を建てる」と誓いました。1632年着工、約22年の歳月をかけて1653年頃に完成。
使われた白大理石はラジャスタン州マクラナ産。宝石の象嵌にはトルコ石・サファイア・ラピスラズリ・珊瑚・翡翠など28種類の宝石が用いられました。建設に携わった職人は毎日2万人以上ともいわれています。
完成時、シャー・ジャハーンは職人たちの手を切り落とし、「二度と同じものを造れないようにした」という伝説がありますが、これは史実ではないとされています。ただ、それほどの完成度だったということを示す「伝説」として語り継がれています。
1983年にユネスコ世界文化遺産に登録。現在も世界中から年間600〜800万人が訪れます。
庭園を歩いて、廟へ近づく

▲水路越しのタージマハル全景
門を出た瞬間、目の前に全景が広がりました。
真っ青な空。白い廟。左右対称のミナレット4本。中央の水路に映る逆さタージ。
「人生観が変わる」という言葉の意味が、その瞬間にわかりました。
ガイドさんの案内で左側の木陰へ。説明を聞きながら、正面の水路を避けて左の通路を進み、廟に時計回りで近づいていきます。近づくにつれ、その迫力は増していきました。

▲さまざまな角度・距離からの全景
どこから撮っても美しい。どの角度も「これが正解」という構図です。中央水路の前で記念撮影するインド人女性たち、芝生の上で立ち止まって見上げる人々——国籍も年齢も関係なく、すべての人が同じように魅了されていました。

▲背面からの全景

▲側面と背面からの全景
左から時計回りに一周するルートで、廟の側面・背面まで見ることができました。正面から見るのとはまた違う表情があります。
廟の足元に立つ

▲廟の正面アーチに近づく
だんだん近づくと、外壁の装飾の細かさに圧倒されます。遠くから「白い壁」に見えたものが、近づくと——花の模様、コーランの文字、幾何学模様のすべてが手彫りであることがわかります。

▲廟正面入口へ歩くユルバの後ろ姿
杖をつきながら、白大理石の台座を踏みしめて歩くユルバの後ろ姿です。感動と緊張で胸が震えています。
入場口で、事前にガイドさんから渡されていた水色のシューズカバーを靴に被せました。白大理石を傷つけ汚さないための配慮です。そして——いよいよ中へ。

▲シューズカバーをつけてユルバが入口に向かう
廟の内部へ 沈黙の空間

▲いよいよ内部入口をくぐるユルバ

▲紋様の美しさに息を呑むドーム内天井

▲大理石の透かし彫りスクリーンとお后様の棺
内部は撮影禁止です。夫が興奮のあまりシャッターを切ってしまい、係官に注意を受けました。「アイム・ソーリー」とすぐにスマートフォンをしまいました。申し訳ありませんでした。
内部の空間は、息を呑むほど静かでした。外の喧騒が嘘のように、音が消えます。
天井の高いドームは、外から見たよりもはるかに大きく、声が反響します。壁面は花柄と幾何学模様の象嵌細工でびっしりと覆われ、28種類の宝石が光を拾って輝いていました。
中央にはシャー・ジャハーン(王)とムムターズ・マハル(王妃)、ふたりの棺が並んでいます。実際の遺体は地下に埋葬されており、これはその上に置かれた「偽棺(ケノタフ)」です。
私は手を合わせました。沈黙。
ガイドさんへの問い 「なぜお后のためにこれだけの墓を?」
廟を出て、川側の芝生に出ました。

▲霊廟の側面後方はヤムナー川と接します
ヤムナー川からの風が吹いてきて、とても涼しい。ミナレットの影に腰を下ろしました。
時間的に3時間半の時差を考え、娘にLINEビデオ電話をかけてみました。すぐに出てくれました。タージマハルにいることを伝えてカメラを360度回転させると——「凄い!!凄い!!」と大喜び。楽天ローミングで、現地からリアルタイムで届けることができました。
その後、夫がガイドさんに聞きました。
「世界にはピラミッドや仁徳天皇陵など、王様の巨大なお墓はあるのに、お后様のためにこれだけのものを建てた例を他に知りません。なぜですか?」
ガイドさんは静かに答えてくれました。
「王妃は14人の子どもを産んで、36歳で産褥で亡くなりました。当時は戦乱期で、男は戦場で死ぬことが誉れでした。女の戦場は後継者を産むこと。産褥で死ぬことは女子の誉れだったようです。愛妃への巨大な墓の建立には、王の権威を示す狙いもあったかもしれません」
私は10年間で5人の子を産み、母乳と布のおしめで育てました。大袈裟ですが、あの日々もまた「女の戦場」でした。36歳で14人を産んで逝ったムムターズの人生に、心からリスペクトと共感を覚えました。
この霊廟が建てられた理由が、その瞬間に初めて、頭ではなく体で腑に落ちた気がしました。
白い花の木と、トイレと、別れ

▲白い花をつけた美しい木が各所に植えられています
帰り道、白い花をつけた緑の美しい木が、庭のあちこちに植えられていました。プルメリア(フランジパニ)という花で、インドでは聖なる花として寺院や霊廟に多く植えられています。その清楚な白さが、この場所によく似合っていました。
ガイドさんが手を振って呼んでいる先にトイレがありました。とても清潔で、若いスタッフがティッシュを渡してくれました。50ルピーのチップをお渡ししました。

▲帰り道の赤砂岩の回廊、この奥にトイレがあります

▲回廊越しに見えるタージマハル
帰り道、赤砂岩の柱廊の向こうに白いタージが見えました。この旅でいくつもの世界遺産を見てきた後でも、振り返るたびに「美しい」と思う。それがタージマハルという場所でした。

▲格子窓のアーチ
出口でシューズカバーを外して、タージマハルを後にしました。
まとめ 一生忘れられない景色
タージマハルを後にするバスの中で、私たちはしばらく無言でした。
「人生観が変わる」——その言葉は本当でした。ただし、変わったのは「世界の美しさへの認識」ではありませんでした。変わったのは「人が人を愛することへの認識」だったかもしれません。
22年かけて建てられた霊廟。36歳で14人を産んで逝った王妃。その死を悼んだ皇帝。そして400年後、この場所に立って手を合わせた私たち——時代を超えて、「愛」というものが石になって残っている場所。それがタージマハルでした。
私たち夫婦にとって、タージマハルは一生忘れられない景色として、心に深く刻まれました。

▲感動と共に別れを告げました!
シニア旅行者への実用情報
入場前の準備
荷物検査は厳しく、大きなカバンや食べ物・飲み物の持ち込みは制限されます。貴重品と水だけを小さなバッグに入れて持参するのが賢明です。ガイドさんの事前アドバイスに従うと、スムーズに通過できます。
シューズカバーについて
廟への入場時、靴カバーが配布されます(または貸し出し)。白大理石の保護のためです。足元が滑りやすくなる場合があるので、注意して歩いてください。
撮影について
廟の内部は撮影禁止です。係官がいますので、必ずルールを守ってください。外の庭園・廟外壁は撮影可能で、どこからでも美しい写真が撮れます。
歩行距離について
入場口から廟まで、往復でかなりの距離を歩きます。杖をお持ちの方は必携。私たちはツアーで約60分の見学でしたが、ゆっくり回るなら90分〜2時間が理想です。
LINEビデオ電話
楽天ローミングでインド国内でも無料で通話できました。日本の家族とリアルタイムでタージマハルを共有できたことは、この旅の大切な思い出のひとつになりました。

▲インドの象徴のような歴史的建造物でした
基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | タージ・マハル |
| 世界遺産登録 | 1983年(文化遺産) |
| 建造年 | 1632〜1653年頃 |
| 所在地 | ウッタル・プラデーシュ州アグラ市 |
| 開館時間 | 日の出〜日没(金曜は礼拝のため一部時間変更) |
| 入場料 | 外国人:約1,100ルピー(2025年時点) |
| 休館日 | 金曜日は内部見学不可(外庭のみ開放) |
| アクセス | アグラ市内から車で約15〜20分 |
ありがとうございました。
See you(^^♪

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