みなさま、こんにちは(^^♪
3月中旬、「台湾ツアー旅行3日間」に、シニア夫婦で参加しました。
「十分」「九份」「士林夜市」「基隆中正公園」「野柳地質公園」「忠烈祠」「中正紀念堂」を観光しました。
次に「龍山寺」の見学に向かいました。
「龍山寺」とはどんな所か分からないので、下記の内容を事前に確認してから行きました。
この後から、実際に行ってみた「体験談」をお話しいたします。
「龍山寺」とはどういうお寺ですか?
正式には、「艋舺龍山寺(ばんかりゅうざんじ、マンカーロンシャンスー)」と称しますが、地元では「龍山寺」と呼んでいます。
ご本尊様は、「聖観世音菩薩」(観音様)です。
現在は、道教や儒教など様々な宗教と習合しており、祀られている神仏は100以上に及びます。
天上聖母(航海の守護女神、福徳招來媽祖)、文昌帝君(日本の天神様、受験の神様)、関聖帝君(三国志で有名な武将、関羽)、財運招來、悪霊退散、勝負必勝、商人の神様等の諸神が祀られています。
ご本尊様は霊験あらたかで、早朝から夜遅くまで大勢の参詣客がひきもきらずに訪れ、賑わっております。
人々は、様々な神が祀られた7つの香炉を順に廻りながら、それぞれの神仏に参拝します。
「龍山寺」の歴史を教えてください?
龍山寺は、清時代の1738年に着工、1740年に落成し、290年近くの歴史があります。
福建省・泉州から渡来した漢民族の移民により、「福建晋江安海龍山寺」の分霊として創建されました。
背景は、移民してきた当時、あまりにその土地の環境が悪く、移民してきた10人のうち3人が残り、6人が死亡、そして1人は帰国する状態だったそうです。
龍山寺には、移民たちの「神様の守護」という切実な願いが込められていました。
日本統治時代の1919年の大改修工事は、福建泉州の大工棟梁「王益順」が設計施工を担当しました。
「中国宮殿式廟宇建築」を採用し、1924年には色鮮やかな、壮麗かつ荘厳、芸術性の高い東洋一を誇る名刹が完成しました。
1945年に、米軍の空襲で本殿が直撃を受けましたが、ご本尊様だけはご安泰でした。
当時、空襲があると、ここへ人々が避難しましたが全く死傷者がなく、人々の間で語り伝えられています。
地震や火災などによって何度か損傷しましたが、その度に再建・修理がなされました。
現在の伽藍は、1953年に再建修復され、豪華絢爛となり、中国の伽藍建築を代表しています。
1985年に台北の市定古跡に指定され、2018年に国定古跡に昇格しました。
「龍山寺」の見どころを教えてください?
台北市内で最古の寺院であり、国家古蹟であると共に、「台北101」「国立故宮博物院」「中正紀念堂」と並ぶ台北市の「四大外国人観光地」と言われます。
また「艋舺清水巌」「大龍峒保安宮」と並ぶ、「台北の三大廟門」と言われます。
龍山寺は、北側を背に南に面し、前殿、本殿、後殿(奥の院)とその左右に鐘楼、鼓楼を配し、廂房(渡り廊下)で「日」の字形に構成されます。
前殿の前にある、一対の鋳銅製の「蟠竜柱」は台湾唯一のもので、欄間は泉州白石、観音山石、青斗石で、「三国志演義」「封神演義」の絵柄は精巧優美な作品です。
本殿の天井の「中殿藻井」は、龍が螺旋を描いて天に昇っていく様が精緻に表現してあり、その芸術性の高さは国家古蹟にも指定されています。
同じく本殿には、石柱の回廊が配され、正面にある6本の竜の彫刻石柱は、精蜜なくりぬき2重構造となっています。
龍山寺に着きました(体験談)
龍山寺の前にツアーバスが着きました。
ガイドさんに連れられて30分の予定で見学に入りました。
中に電気が入った、ハリボテのような派手な色彩の神様を模った、デコレーションが目を引きました。
思わず近づいて見たり、写真を撮りました。
少し歩いたら、正面の玄関の前門に着きました。
このお寺は入り口と出口が決まっていて、右手の入り口「龍門」から境内に入って参拝するそうです。
中を巡回して、左手の出口「虎門」から帰る、という流れが決まっています。
私たちは、まず右手にある入り口へ向かい、間違わないように前の人の流れに付いて行きました。
中庭から「三川殿」に入る
門から中庭に入りますと、立派な本殿の全景が見えました。
境内の総面積は約1800坪で、御本尊の観音様を祀った本殿を中心に、周囲は前殿、東側の鐘楼、後殿、西側の鼓楼が配置されています。
それらは渡り廊下で繋がり、上から見ると「回」の字の形をした構造です。
建造物は、災害や戦争の影響で、何度も改修工事をしています。
1919年の大改修工事の際には「中国宮殿式廟宇建築」を取り入れ、随所に目を見張るような細工が施されています。
本殿に入る
本殿前方の左右に配された一対の「銅雕龍柱」は、1920年代の作で、台湾では石製の柱が一般的ですが、台湾唯一の銅製の龍柱だそうです。
立体感溢れる龍が見事に表現されています。
本殿の天井の「中殿藻井」を見上げて驚きました。
中殿藻井は、龍が螺旋を描いて天に昇っていく様が精緻に表現してあり、仏教の「人生輪廻」を意味しているそうです。
細工が幾層にも重なり合って広がり、美しく広がる蜘蛛の巣のようで圧巻です。
芸術性の高い建築物で、国家古蹟にも指定され、見所いっぱいです。
ご本尊様(観音様)の霊験が今に伝わる
龍山寺の御本尊は、本殿の正面に祀られる「聖観世音菩薩(観音様)」です。
終戦間近の1945年、アメリカ軍の空襲で石柱まで全壊する惨事に見舞われました。
この木造の観音様だけは被害を逃れ無傷でした。
地元の人は、観音様の膝元は安全だと信じ、空襲の度に駆けつけて避難したそうです。
激しい空襲でも死傷者はなく、そのご利益から今でも厚く信仰されています。
本殿は観音様、文殊菩薩、普賢菩薩、十八羅漢、韋馱護法、文殊菩薩が祀られています。
本殿に祀られているのはすべで仏教の仏様で、一方の後殿には主に道教の神様が祀られています。
道教の神様が祀られる後殿に入る
こちらは学問や商売、子宝、恋愛などそれぞれの分野によって分かれています。
祀られている神様は、文昌帝君、大魁星君、紫陽夫子、馬爺、天上聖母、太陽星君、太陰星君、註生娘娘、池頭夫人、十二婆者、水仙尊王、城隍爺、龍爺、福德正神、關聖帝君、三官大帝、華陀仙師、地藏王菩薩、月老神君、ものすごい数の神様です。
「文昌帝君」の前には、台湾の受験シーズンの5~6月には、受験生や保護者が詰めかけます。
合格祈願は、名前、住所、生年月日を告げて、受験票のコピーを投函します。
学問の神様へのお供え物は「ネギ、大根、包子」です。
「賢い」や「保証」の中国語発音に似ており、縁起をかついでいます。
「城隍爺」は、善悪と賞罰の判断を司どる冥界の地方官吏でもあります。
閻魔大王様の家来みたいですね。
現代では地方の裁判官さんでしょうか。
「天上聖母」は、別名「媽祖」「天后」とも呼ばれています。
さすがにトップクラスの人気と実力の神様なので、後殿の中央にお祀りされています。
「千里眼」と「順風耳」の二神の守り神を従えています。
「註生娘娘」は、特に子宝のご利益が有名で、お礼参りで持参された蘭の花が並んでいます。
お供えものには、産後に滋養のために食べる「麻油雞」などが供えられるそうです。
当時、泉州派と章州派が武力衝突をしました。
章州派が夜襲を仕掛けたところ、妊婦の「池頭夫人」が注意を与え、泉州派は縄張りを守ることができました。
その恩に感謝して「池頭夫人」を祀りました。
女性なのに凄いですね、一般の主婦を神様にする文化も凄いですね!!
道教では、紫微・清虚・洞陰の三人の神様を「三官大帝」として祀っています。
この「月老神君」の前には、女子がたくさん賑わいます。
おみくじを引くと、運命の赤い糸をいただけます。
財布に入れたり、身につけておくと御利益があるそうです。
運命の人に出会えたり、意中の彼と結ばれたりするそうです。
お供え物は、結婚式などで配るお菓子などが供えられます。
本殿は仏教、後殿は道教の神仏が祀られ、まさに多神教のメッカでした。
観音様を中心に、多くの神様が仲良くそれぞれの得意の役割を果たしておられる感じでした。
参詣者は、それぞれ特有の悩みや願い事を抱えておられるので、専門の神様が親切・丁寧に答えておられるようでした。
偶像崇拝を禁ずる教えや、一神教を信ずる人々からは、どのように感ずるかは分かりません。
日本の仏教では馴染みの「お釈迦様」や「阿弥陀様」は居られず、道教や儒教は日本の神道にあたるのでしょうか。
宗教観は国々で違いはあるでしょうが、ご当地で肌感覚で触れられたことに旅の喜びを感じました。
出口の虎門から出て、トイレに立ち寄り、バスに乗り込み夕食に向かいました。
(台北ナビさん、龍山寺さんの情報を参考にしました「多謝」)
「艋舺龍山寺」基本情報
まとめ
「龍山寺」とはどんな所か分からないので、下記の内容を事前に確認してから行きました。
龍山寺は、創建約270年の台北で最も歴史のあるお寺であり、芸術性の高い建築物は国指定の古蹟であり、国内外の信仰の中心地であり、高い現当利益と国際観光の台湾最強のパワースポットと言われています。
龍山寺の観音様や媽祖様は、台湾の人々の精神的な拠り所となっていることを強く感じました。
観音様は、実際に戦禍で苦しむ人々を救いました。
媽祖様は、危険な船舶の安全を、生涯身を挺して助けました。
野柳地質公園では、人を救おうとして亡くなった林添貞さんを顕彰されていました。
忠烈祠では、国のために亡くなった英霊に血の通った祭祀をされていました。
台湾は国際的、歴史的、地政学的、イデオロギー的に厳しい環境に置かれています。
現実的な救いと、国民を守る利他的な精神を、政府も人々も求めていると感じました。
宗教施設を、旅を通して肌で感じて、ご当地の社会に触れて、自分自身や自国を振り返ることも大切だと感じました。
観音様、媽祖様はじめ神々様、龍山寺の皆さま、ありがとうございました。
深謝!深謝!深謝!
この台湾ツアー旅行の「総集編」として、『台湾ツアー旅行おすすめ2泊3日【シニア体験談】添乗員・全観光付き』を、最後に書きました。
内容は下に記しましたので、興味のあられる方はご覧ください。
①「台湾旅行の動機」②「持ち物一覧表」③「携帯海外ローミング」④「両替・チップ」⑤「旅行費用総額260,970円の明細」⑥「観光地・食事の14体験談」⑦「旅行中の徒歩数」⑧「バスの走行距離km」⑨「海外旅行保険加入」
シニア夫婦の、アクシデントや失敗が多々ありましたが満足な旅ができました。
See you(^^♪
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