はじめに
みなさま、こんにちは(^^♪
見学シリーズ番外編。全国の施設数・入居者数、看取りの場所の変化、日本の高齢者人口の最新統計、そして年齢層別の老人ホーム入居率まで。私たち夫婦のように「70代で元気なうちに入居を考える人」がどれくらいいるのか、データで探ります。
自分たちの「立ち位置」を数字で確かめたくなって
夫婦74歳の私たちは、終の住処を求めて10箇所の「住宅型有料老人ホーム」見学を目標に立てました。4箇所目にお伺いした「ゆうゆう壱番館」さんでの経験を通じて、「創業者の経営哲学」とともに、老人ホーム業界全体の中で「自分たちがどんな立ち位置にいるのか」が気になってきました。
- 全国高齢者の施設数・入居者数(種類別)
- 看取りの場所(病院・施設・自宅の死亡場所別割合)
- 日本の高齢者人口と割合(65歳以上)
- 老人ホームの入居者数と入居率
- 年齢層に見る老人ホームの入居率(65歳〜75歳〜85歳〜90歳〜)
- 70代・自立で住宅型有料老人ホームに入居する人はどれくらいいるのか
これらの施設の動向を調べて、自分たちに相応しい時期に、相応しい環境の老人ホームを選択したいと思いました。皆様の参考になれば幸いです。

▲小倉駅からモノレールに乗り守恒駅で降りて800mでゆうゆう壱番館です
①施設数・入居者数(種類別)
厚生労働省などの統計調査によると、「介護保険3施設」の状況は次のとおりです。介護老人福祉施設(特養:社会福祉法人などが運営する要介護3以上の施設)は8,621施設・入所者604,469人、介護老人保健施設(老健:医療ケアやリハビリを行い在宅復帰を目指す施設)は4,214施設・入所者365,939人、介護医療院(長期的な医療ニーズと介護が必要な方向けの施設)は917施設・入所者52,837人となっています。その他の公的施設(養護・経費老人ホーム・ケアハウスなど:身寄りがない、経済的な理由のある方向けの施設)数千箇所があります。
「民間の有料老人ホーム」(令和6年3月時点)は全国で16,543施設、定員は約64.6万人。このうち介護保険の「特定施設入居者生活介護」指定を受けた介護付き有料老人ホームは4,464施設・約27.5万人分で、残りの大半は「ゆうゆう壱番館」やサンカルナさんと同じ、住宅型有料老人ホームです。サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)は8,294施設・約28.7万戸あり、そのうち96%が有料老人ホームにも該当するため、多くが二重登録になっています。「認知症対応型共同生活介護(グループホーム)」は、14,341施設あります。
これらを単純合算すると、介護保険3施設+有料老人ホームだけで約3万施設・約160万人分の定員規模になりますが、グループホームとその他を加え、サ高住との重複を踏まえると、実質的な「高齢者向け住まい」の総数は全国で約6万カ所、戸数ベースで約243万戸という民間調査の推計もあります。

▲閑静な高級住宅街の中に溶け込むように存在します
②看取りの場所(死亡場所別割合)
2023年(令和5年)時点では、「病院・診療所での死亡が65.7%」、「自宅死が16.9%」、「施設死が15.5%」、その他が約2%です。これを2005年(平成17年)と比べると、当時は「病院・診療所での死亡が82.4%」、「自宅死が12.8%」、「施設死はわずか2.8%」でした。
つまり、この20年足らずで施設死は5倍以上に増えています。介護保険制度が始まった当初にはまだ少なかったサービス付き高齢者向け住宅や住宅型有料老人ホームが増えたことが、この変化の背景にあります。2000年頃までは「病院で亡くなる」がほぼ一択に近い状態でしたが、この20年で「施設で最期を迎える」という選択肢が急速に一般化してきたのです。私たちが今回体験した「ゆうゆう壱番館」さんのような施設が増えてきたのも、まさにこの大きな流れの中にあります。

▲和室風の居室は落ち着いた睡眠が取れます
③日本の高齢者人口と割合
総務省が2026年9月20日、敬老の日を前に公表した最新の推計によると、「日本の65歳以上人口は3,624万人」で、「総人口に占める割合(高齢化率)は29.6%」と、いずれも過去最高を更新しました。内訳は男性1,571万人、女性2,054万人です。人口4,000万人以上の世界39カ国の中で、日本の高齢化率は世界トップとなっています。
働く高齢者も増え続けており、65歳以上の就業者数は943万人と、比較可能な1968年以降で過去最多を更新しました。65歳以上人口全体に対する割合で見ると、およそ4人に1人(約26%)が働いていることになり、日本全体の就業者数に占める65歳以上の割合も13.8%と、こちらも過去最高です。

▲居室の入り口は内廊下では無くプライバシーが保てます
④老人ホームの入居者数と入居率
「老人ホーム」と一口に言っても、公的な介護施設から民間のマンション型まで幅広いため、種類ごとに整理してみます。「介護保険3施設(特養・老健・介護医療院)の入所者は合計で約98万人」、「有料老人ホーム(介護付き・住宅型など)は定員ベースで約65万人」、「グループホーム(認知症対応型共同生活介護)は約20万〜25万人」、「サービス付き高齢者向け住宅は戸数ベースで約29万人」、「軽費老人ホーム(ケアハウスなど)は約10万人」とされています。
これらを単純に合算すると、合計で約220万〜230万人ほどが「何らかの高齢者向け施設・住宅に居住している」状態になります。先ほどの65歳以上人口(3,624万人)を基準に割合を計算すると、入居者数を200万人とした場合で約5.5%、230万人とした場合で約6.3%。おおよそ「高齢者のうち施設に入っているのは全体の6%前後(16〜17人に1人程度)」というのが、実態に近い姿だと言えそうです。
なお、日本全体の要介護・要支援認定者数は現在約708万人おり、このうち約3割が施設に入所し、残りの約7割は自宅で在宅介護を受けているとされています。「施設に入っている人」だけで見れば約6%ですが、「介護が必要と認定された人」まで範囲を広げると、65歳以上の約19.5%にまで達することになります。

▲玄関も豪華で機能性に富んでいます
⑤年齢層に見る老人ホームの入居率
厚労省の要介護認定率のデータを見ると、認定率は年齢とともに急激に上昇し、「65〜69歳では3%」程度なのに対し、「85〜89歳では約半数(50%)」、「90〜94歳では71%」にまで達します。この認定率の動きに、老人ホーム等への入居のタイミングもおおむね連動していると考えられます。
年齢別の施設入居率については公式統計として一本化されたものはありませんが、各種データから推計すると、「65歳〜74歳ではおおむね1%」未満、「75歳〜84歳では数%」程度にとどまり、この年代は9割以上が自宅で暮らしています。多くの人が健康上の自立を保っているか、介護が必要になっても訪問介護やデイサービスなどを利用しながら在宅で生活を続けているためです。
施設入居が本格的に増えてくるのは85歳を過ぎてからで、民間の有料老人ホームやサ高住の現場でも、入居者の多くが85歳以上という施設が目立ちます。身体的な衰えや認知症の進行により24時間体制のケアが必要になり、家族だけでの在宅介護が限界を迎えるタイミングが、この年齢層に集中しているのです。ちなみに施設の種類によっても入居者の年齢層に傾向があり、サ高住は比較的元気な80代前半から検討されやすく、要介護3以上が入居条件となる特別養護老人ホームは、入居者の平均年齢が80代後半〜90代へと高齢化する傾向にあります。

▲リビングは2人部屋でも機能的で収まりが絶妙です
⑥70代・自立で住宅型有料老人ホームに入居する人は、どれくらいいるのか
私たち夫婦のように、70代で元気で自立した状態のまま、将来を見据えて住宅型有料老人ホームに前向きに入居する人は、全国にどれくらいいるのでしょうか。
ここから先は、公表されている個別の公式統計が見当たらないため、厚労省の「高齢者向け住まい及び住まい事業者の運営実態に関する調査」などの数字を組み合わせた、あくまで概算の試算としてお読みください。住宅型有料老人ホームの総入居者数(定員ベース)は全国で約65万人。
このうち70代の割合をおよそ2割強とすると約14万人前後、さらにそのうち「自立・要支援1」の状態で入居している人の割合を2〜3割程度(残りの7〜8割は何らかの要介護認定を持つとされます)とすると、病気やケガの急変ではなく前向きな選択として入居した人は、ざっくり3万〜4万人程度と推計されます。70代の人口全体(約1,500万人強)と比べると、0.2〜0.3%、300〜500人に1人程度という、かなり少数派の選択になるという計算です。
なぜこれほど少数派なのか、いくつか理由が考えられます。一つは、「住宅型」という名称から自由なイメージを持たれがちですが、実際には外部の訪問介護サービスを組み合わせて使う「介護付きに近い」形で運営されている施設が多く、実態としては80代後半で要介護状態になってから入居する人が主流であることです。
もう一つは、元気な70代の住み替え先が、住宅型有料老人ホームだけでなく、より自由度の高いサ高住や、資産として持てるシニア向け分譲マンション、介護が必要になったら退去する健康型有料老人ホームなどに分散していることです。さらに、内閣府の意識調査などでも、日本の高齢者の多くが「介護が必要になっても、できる限り今の自宅で暮らしたい」と考える傾向が示されており、この心理も大きく影響していそうです。
そのため、70代のうちから自ら進んで住宅型有料老人ホームを選ぶのは、経済的に一定の余裕があり、かつ「子どもに将来迷惑をかけたくない」という意識が人一倍強い、先進的な考え方を持つ方々に限られているというのが、現状に近い姿だと思います。

▲ゆうゆう壱番館から徒歩5分で銀行、大型ショッピングセンターなどがあり便利です
まとめ
夫婦74歳の私たちは、アクティブな老後生活を考えて「住宅型老人ホーム」への入居を考えました。介護が必要になってから慌てて探すより、先手先手で健康なうちに住み替えたほうが、子どもたちへの負担も最小限で済むと考えたからです。YouTubeなどを見ても、そうした生き方を選ぶ方が最近は増えているように感じていましたが、統計から見ると、まだ極めて少数派だということが、今回よく分かりました。それでも、全体像を数字で把握できたことで、かえって安心する部分もありました。
このまま今の住みやすい自宅に住み続け、介護が必要になってから施設を探すという「消極的な選択」で良いのか。運転免許はいずれ返上することになりますし、買い物や通院、食事の準備のことを考えると、自宅を売却して、介護サービスが併設されたアクティブな住宅型有料老人ホームに移るという選択も、私たちには合っているように思えてきました。
幸い、娘たちが住む地域の近隣にも、条件に合いそうな施設がいくつかあります。時期と健康状態を見ながら、実行に移していきたいと考えています。それまでにはまだ少し時間がありますので、見学と体験宿泊、目標の10箇所をやり遂げて、学びを深めていきたいと思います。
このブログを書くきっかけとなりました「福岡小倉「ゆうゆう壱番館」73歳夫婦見学記④|住宅型有料老人ホーム」に興味がありましたらご一読ください。
ありがとうございました。
See you(^^♪

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